インドネシア飲食店進出で必要な許可・法律
インドネシア飲食市場の魅力と法規制の現実

ASEAN最大、約2億7,000万人の人口を抱えるインドネシアは、外食産業にとって極めて魅力的な市場です。平均年齢は約30歳前後と若く、都市部を中心に中間層が拡大。ショッピングモール文化が発達し、外食・カフェ・ファストフードの需要は年々増加しています。
実際、ジャカルタ首都圏だけで3,000万人規模の消費市場が形成されており、日本食レストラン、ラーメン店、居酒屋、ベーカリー、スイーツ専門店など、日系ブランドの進出が進んでいます。
しかし、飲食業は「参入しやすい業種」と誤解されがちでありながら、実際には許認可・衛生・外資規制・ハラール認証・労働法・税務など、極めて多層的な法制度が関与します。
ジェトロの投資環境レポートでも、外食業は「リスクベース許認可制度(OSS-RBA)」の対象業種であり、単に法人を設立するだけでは営業できないことが明示されています。
本記事では、インドネシア飲食店進出において必要となる主要法律・制度・数値を具体的に整理し、法制度に特化して解説します。
① 会社設立:外資飲食店はPMA設立が基本
外国資本で飲食店を展開する場合、通常は**PMA(外資系株式会社)**の設立が必要です。
インドネシアで日本食レストランやカフェ、居酒屋、ラーメン店、焼肉店などを展開する場合、「小規模だから簡単に出店できるだろう」という感覚で進出を判断するのは非常に危険です。外資が1%でも入る場合、原則として設立形態はPT PMA(Perseroan Terbatas Penanaman Modal Asing)となります。
PT PMAは通常のローカル法人(PT)とは法的に区別され、投資法および会社法の枠組みに従って設立されます。単に店舗を構えるだけではなく、「外国投資会社としての事業展開」という位置付けになります。
飲食業は一見するとサービス業で参入しやすい印象がありますが、外資の場合は投資総額、許認可、労働法、食品法、地方条例などが複雑に絡み合います。進出前の制度理解が極めて重要です。
■ 根拠法令
投資法(Law No.25/2007)
会社法(Law No.40/2007)
投資法は外国投資の基本法であり、外国資本による事業活動の原則を定めています。外資飲食店もこの枠組みに基づき設立されます。
会社法は、株式会社の設立・運営・解散までを規定する基本法です。PT PMAは会社法に基づく株式会社形態であり、最低2名の株主、取締役(Direksi)、監査役(Komisaris)の設置が必要です。
つまり、単なる「店舗出店」ではなく、法人ガバナンス体制の構築が前提となります。
■ 最低投資額
現在の実務上の基準では、
最低投資計画額:100億ルピア(約1億円相当)
払込資本金はその一部で足りますが、事業計画上は100億ルピア規模が求められます。
ここで多くの日本企業が誤解するのが、「1店舗の飲食店に100億ルピアも必要なのか」という点です。実際には100億ルピアは投資計画額であり、資本金そのものではありません。払込資本金はその25%以上が必要です。
しかし、事業計画書上は100億ルピア規模の投資を前提とした計画を提出する必要があります。
小規模店舗1店舗のみの場合でも、この基準が適用される点が日本企業にとって大きなハードルです。
これは「事業規模に関わらず、外資は一定規模以上の投資主体であるべき」という政策思想に基づいています。
そのため、実務上は
・複数店舗展開を前提とした投資計画
・中央キッチン設置
・食材輸入・販売事業併設
などの形で100億ルピア基準を合理化する設計が行われることが多いです。
単店舗モデルでの進出は制度上極めて効率が悪い場合があります。
② OSS(オンライン単一窓口)登録とNIB取得
雇用創出法施行後、事業許可はOSS(Online Single Submission)制度に統合されました。
OSSは法人設立から事業許可取得までをオンラインで一元管理する制度です。飲食店であっても例外ではありません。
取得必須事項
NIB(事業基本番号)
KBLIコード登録(事業分類)
NIBは事業者識別番号であり、税務登録番号や輸出入登録番号の機能も兼ねています。NIBがなければ正式な事業活動はできません。
飲食業は通常「KBLI 56101(レストラン)」等に該当します。
ただし、カフェ、バー、ケータリング、フランチャイズ展開など、事業形態によってKBLIが異なる場合があります。
KBLIコードの誤登録は外資規制違反につながるため、専門確認が不可欠です。
例えば、「レストラン運営」と「食品加工製造」は別区分です。輸入食材の再加工を行う場合、製造業扱いとなる可能性があります。
また、リスクベースアプローチにより、飲食業は通常「中リスク」または「高リスク」に分類され、標準証明や追加許可が必要となるケースがあります。
③ 食品関連法と営業許可
■ 食品法(Food Law No.18 of 2012)
食品の安全性・衛生管理が厳格に規定されています。
飲食店は単なるサービス業ではなく、「食品提供業」です。そのため食品法および関連規則の適用を受けます。
原材料表示義務
食品添加物規制
輸入食品の登録義務
食品の安全性、衛生基準、保存方法、原材料表示などは細かく規定されています。特に日本食店の場合、味噌、醤油、調味料、冷凍魚介類などを輸入するケースが多く、輸入規制の対象となります。
輸入食材を使用する日本食店では、BPOM(食品医薬品監督庁)登録が必要となる場合があります。
BPOM登録は時間と手間がかかり、製品ごとの登録が必要になることもあります。
さらに、地方自治体レベルでの衛生検査、営業許可、建築基準適合証明なども必要です。
イスラム教徒が多数を占めるインドネシアでは、ハラール認証も重要です。一定規模以上の飲食店ではハラール証明の取得が求められる場合があります。
飲食業進出の現実
インドネシアの外食市場は拡大傾向にあります。ジャカルタ、スラバヤ、バンドンなどの都市部では日本食人気も高く、多くの日本ブランドが進出しています。
しかし、
・法人設立ハードル
・OSS登録
・KBLI選定
・食品法対応
・BPOM登録
・労働法対応
・最低賃金水準
などを軽視すると、事業開始前に想定外のコストが発生します。
成功企業は、
・複数店舗前提の投資設計
・中央キッチン戦略
・輸入手続き専門家の活用
・ハラール対応設計
・労務コスト試算
を事前に行っています。
④ ハラール認証(極めて重要)
インドネシア進出において、飲食・食品・美容・医薬品分野に関わる企業が最も慎重に向き合うべき制度の一つが「ハラール認証」です。
インドネシアは国民の約9割がイスラム教徒であり、宗教は単なる文化的背景ではなく、日常生活・消費行動・企業評価に直結する重要な要素です。
特に飲食店や食品関連ビジネスにとって、ハラール対応は単なる“配慮”ではありません。売上を左右する最重要項目です。
都市部では中間層が拡大し、外食産業も急成長していますが、ハラール対応の有無は来店動機に直結します。企業ブランドの信頼性を示すシグナルとして、ハラール認証は強い意味を持っています。
ハラール制度を軽視した場合、消費者離れだけでなく、行政指導やSNS炎上リスクも伴います。したがって、この制度は「宗教配慮」ではなく「経営戦略」として理解する必要があります。
■ ハラール製品保証法(Law No.33 of 2014)
ハラール制度の法的根拠となるのが、ハラール製品保証法(Law No.33 of 2014)です。
この法律は、食品、飲料、医薬品、化粧品、化学製品、さらには一部サービスに至るまで、ハラール適合性の確保を義務付ける枠組みを定めています。
2019年以降、段階的にハラール認証が義務化されています。
当初は食品・飲料から始まり、現在では化粧品や医薬品分野にも拡大しています。将来的にはさらに広範囲に適用される予定です。
これは単なるガイドラインではなく、法律に基づく義務です。
つまり、該当商品を扱う企業は「取得するかどうか」ではなく、「取得しなければならない」状況になりつつあります。
認証機関の構造
ハラール認証制度は複数機関が関与する構造になっています。
認証機関:
BPJPH(宗教省管轄)
旧MUI(インドネシア・ウラマー評議会)
現在はBPJPHが中心的な認証管理機関となっています。
かつてはMUIが主導していましたが、制度改革により国家管理へ移行しました。ただし、宗教的審査においてはMUIの役割が依然として重要です。
企業は申請書類を提出し、原材料・製造工程・保管方法・物流体制まで詳細に審査されます。
審査対象は以下のような項目です。
原材料の由来
加工工程
調理器具の共有有無
保管環境
輸送過程
一つでも非ハラール要素が混在している場合、認証は取得できません。
非ハラール商品の表示義務
ハラール製品保証法では、非ハラールの場合は明確表示義務があります。
つまり、ハラールでない商品を提供する場合でも、それを曖昧にしてはいけません。
透明性の確保が法律で求められています。
例えばアルコールを含む飲料や豚肉を使用した食品は、明確に表示する必要があります。
表示義務を怠った場合、罰金や営業停止措置が科される可能性があります。
豚肉・アルコール提供店の特別対応
特に豚肉・アルコール提供店は慎重な対応が求められます。
必要になるのは、
別調理区画
明確表示
証明書取得
です。
別調理区画とは、ハラール食品と非ハラール食品を物理的に分離することを意味します。
例えば同じキッチンで豚肉と鶏肉を扱う場合、調理器具・調理台・保管庫を完全に分ける必要があります。
アルコールを提供するレストランも、食品との交差汚染がないよう管理体制を整えなければなりません。
また、豚肉専門店であっても「非ハラール証明」の取得や表示義務が求められる場合があります。
つまり、「ハラールでないから関係ない」という考えは通用しません。
企業経営への影響
ハラール認証は単なる法的義務ではなく、ブランド戦略にも直結します。
認証を取得している企業は、消費者からの信頼が高まり、市場アクセスが拡大します。
特に大型ショッピングモールや商業施設では、テナント選定時にハラール対応が条件となるケースもあります。
逆に認証がない場合、入居が制限される可能性があります。
さらに、輸出ビジネスにおいてもハラール認証は武器になります。
インドネシアは世界最大のイスラム人口を抱える国であり、ハラール製品の国際的ハブを目指しています。
認証取得は国内市場だけでなく、他のイスラム圏市場への展開にも有利に働きます。
認証取得の実務難易度
実務上、ハラール認証取得には時間がかかるケースがあります。
原材料サプライヤーの証明書取得
製造工程の監査
現地立会検査
書類翻訳
これらを経て認証が発行されます。
中小企業にとっては、社内だけで対応するのは負担が大きいこともあります。
進出コンサルや現地専門家の支援を受けることで、申請プロセスを効率化できます。
ハラールは“制限”ではなく“市場アクセス”

ハラール制度を「制約」と見る企業は苦戦します。
しかし、これを「市場アクセスのパスポート」と捉える企業は成功します。
インドネシアは巨大消費市場です。
その市場の多数派がイスラム教徒である以上、ハラール対応は合理的な経営判断です。
特に飲食店、美容サロン、フィットネス施設内カフェ、健康食品販売などは、ハラール対応が顧客層拡大に直結します。
戦略的視点
ハラール対応は、
法令遵守
ブランド戦略
市場拡大
リスク管理
のすべてを包含するテーマです。
インドネシア進出を成功させるためには、宗教的背景を理解し、制度を遵守しながら市場機会を最大化する設計が不可欠です。
ハラール認証は“極めて重要”という表現が誇張ではない理由はここにあります。
制度を理解し、適切に対応した企業だけが、巨大イスラム市場の信頼を獲得できます。
インドネシア市場で持続的に成長するためには、ハラール対応を経営戦略の中心に据えることが必要です。
⑤ 酒類販売許可
インドネシアで飲食店を運営する場合、アルコール提供は非常に重要な収益源となり得ます。しかし、酒類販売は自由に行えるわけではなく、明確な許可制度の下で管理されています。特に外資企業や日系飲食店が進出する際には、この酒類販売許可の取得可否がビジネスモデルそのものに影響を与えます。
アルコール提供には特別許可が必要です。
この許可は中央政府の制度に基づきながらも、実際の運用は地方自治体が担います。そのため、同じ法律の枠組みであっても、地域によって取得難易度や審査の厳格さが異なります。
酒類は分類されており、
グループA(ビール等)
グループB(ワイン等)
グループC(蒸留酒)
という区分があります。
グループAはアルコール度数の低いビール類などが含まれ、比較的取得しやすいカテゴリーです。観光地や都市部では、レストランやホテルでの提供が一般的です。
グループBはワインなど中程度のアルコール度数の酒類で、許可取得にあたり追加条件が課される場合があります。輸入ワインを扱う場合は通関・輸入ライセンスとの整合も必要になります。
グループCは蒸留酒(ウイスキー、ウォッカ、ラムなど)であり、最も厳格な管理対象となります。高級バーやホテルでの提供が中心ですが、地方自治体によっては取得が極めて困難な場合もあります。
取得には地方自治体の許可が必要で、地域によっては非常に厳格です。
インドネシアはイスラム教徒が多数派であるため、宗教的配慮が行政判断に影響することがあります。観光地であるバリ州では比較的取得しやすい一方、保守的地域では困難です。
バリでは比較的取得しやすい一方、保守的地域では困難です。
例えば、ジャカルタ首都圏でも区(Kecamatan)レベルで実務運用が異なることがあります。地元住民の同意書が求められるケース、営業時間制限が設けられるケースなど、細かな実務条件が存在します。
そのため、飲食店モデルを設計する際には、「アルコール売上を前提とするか否か」を早期に判断する必要があります。酒類販売許可が取得できない場合、メニュー構成、価格戦略、ターゲット層が大きく変わります。
許可申請には、事業基本番号(NIB)、営業許可、納税登録証、店舗レイアウト図面など複数書類が必要です。さらに、許可更新の期限管理も重要です。期限切れで営業した場合、罰金や営業停止処分のリスクがあります。
単に「観光地だから大丈夫」と判断するのではなく、具体的な自治体レベルの実務確認が不可欠です。
⑥ 労働法対応
飲食店やサービス業において、最もトラブルが発生しやすいのが労務管理です。インドネシアは労働者保護色が強く、雇用契約の運用を誤ると訴訟や行政指導に発展します。
■ 労働法(Law No.13/2003)
■ 雇用創出法改正
これらが雇用制度の中核を成します。
重要ポイント:
週40時間労働
残業代支払い義務
最低賃金(UMR)
週40時間労働は法定基準であり、超過分は残業扱いとなります。飲食店では繁忙期に長時間労働が発生しやすいため、シフト管理を厳密に行わなければなりません。
残業代は法定割増率で計算され、未払いは労使紛争の原因となります。特に外国企業は労働監督の対象になりやすいため、注意が必要です。
最低賃金(UMR)は毎年改定されます。ジャカルタ特別州では、最低賃金が月500万ルピア超になる年もあります。
この水準は地域ごとに異なり、バンドンやスラバヤなどでも差があります。最低賃金未満での雇用は違法です。
さらに解雇時には法定退職金(最大32ヶ月分相当)が発生。
これは日本企業にとって最も衝撃的な制度の一つです。勤続年数や解雇理由に応じて退職金が算定され、最大で約32ヶ月分相当となるケースがあります。
日本のアルバイト感覚での雇用は極めて危険です。
例えば、「業績が悪いからすぐ解雇する」という判断は通用しません。労働裁判所での紛争に発展する可能性があります。
また、PKWT(固定期間契約)とPKWTT(無期契約)の区別が重要です。固定契約には更新制限があり、誤った運用を行うと自動的に無期契約とみなされるリスクがあります。
BPJS(社会保障)への加入義務もあり、企業負担分が発生します。医療保険と労災保険双方への登録が必要です。
労働法対応は単なる法令遵守ではなく、事業継続の基盤です。制度を理解し、適切な契約設計を行うことが不可欠です。
⑦ 税務・VAT
飲食店には以下が関係します。
法人税:22%
付加価値税(VAT):11%
地方飲食税(10%前後)
法人税率22%は全国一律です。利益に対して課税されます。適切な帳簿管理と税務申告が不可欠です。
付加価値税(VAT)は11%で、一定売上規模を超える場合、課税事業者登録が必要です。VATの未登録や未申告は重い罰金の対象となります。
地方飲食税は自治体ごとに異なり、概ね10%前後ですが、地域によって若干の差があります。この税は顧客から徴収し、自治体に納付します。
地方税は自治体によって異なるため、事前確認が必要です。
例えば、ジャカルタとバリでは税率や申告方式が異なる場合があります。オンライン申告システムへの登録も求められます。
税務は単なるコストではなく、価格戦略にも影響します。税負担を考慮せずに価格設定を行うと、利益率が想定より低下する可能性があります。
さらに、輸入酒類を扱う場合は関税や輸入税も加わります。これにより原価が大きく上昇する場合があります。
飲食店ビジネスでは、売上管理、原価管理、税務管理が一体となった運営が求められます。税務申告の遅延や誤りは信用低下につながります。
結論
酒類販売許可、労働法対応、税務管理は、インドネシア飲食ビジネスの三大リスク領域です。これらを軽視すると、営業停止、罰金、訴訟リスクに直面します。
制度を正しく理解し、地域ごとの実務差を把握し、適法運営を徹底することが成功の前提条件です。
インドネシアは巨大市場ですが、「制度理解なしの挑戦」は極めて危険です。法制度を戦略に組み込み、実務レベルで管理できる企業のみが持続的に成長できる市場なのです。
インドネシアで成功する飲食企業の特徴
4
インドネシア市場において、日系飲食企業の進出は年々増加しています。ジャカルタやスラバヤ、バンドンなどの都市部では、日本食レストラン、ラーメン店、寿司チェーン、カフェ業態などが目立つ存在となっています。しかしその一方で、数年以内に撤退するケースも少なくありません。
同じ「日本ブランド」であっても、なぜ成功する企業と失敗する企業に分かれるのでしょうか。
成功事例に共通するのは、
事前のリーガル調査
ハラール戦略の明確化
ローカルパートナー活用
立地選定の慎重さ
この4つを徹底している点です。
まず、事前のリーガル調査です。インドネシアで飲食店を開業するには、外国投資会社(PT PMA)として法人設立を行うのが一般的ですが、出資比率や業種区分(KBLIコード)の選定を誤ると、営業許可取得ができないケースがあります。さらに、OSS(Online Single Submission)システムを通じた登録手続きに加え、事業リスク区分に応じた追加許可が必要になります。
成功企業は、物件契約や内装工事に着手する前に、必要な許可の全体像を把握しています。飲食業は「営業すればよい」という単純なビジネスではなく、許認可を前提とした制度ビジネスであることを理解しています。
次に、ハラール戦略の明確化です。インドネシアは世界最大のイスラム人口を抱える国です。近年ではハラール製品保証法の施行により、食品・飲料のハラール認証が強く求められるようになりました。
すべての飲食店が必ずしも即時ハラール認証を取得する必要があるわけではありませんが、ターゲット顧客層によっては認証取得が売上に直結します。成功企業は「取得する」「あえて取得しない」の判断を戦略的に行います。曖昧なまま営業を開始すると、顧客層が限定され、拡大戦略に支障をきたします。
三つ目は、ローカルパートナー活用です。現地不動産市場の情報、行政手続きの実務運用、食材調達ネットワークなど、日本本社だけでは把握しきれない情報が数多く存在します。
特に商業施設内の出店交渉では、ローカルネットワークが大きな力を発揮します。成功企業は、単なる名義貸しではなく、実務能力を持つパートナーを選定し、役割分担を明確にしています。
四つ目は立地選定の慎重さです。インドネシアではショッピングモール文化が発達しており、モール内出店は集客面で有利ですが、賃料も高額です。一方で路面店は初期コストを抑えられる可能性がありますが、立地の見極めが極めて重要です。
単に「人通りが多い」では不十分です。ターゲット層の可処分所得、周辺競合、駐車場の有無、宗教施設との距離など、多面的な分析が求められます。
日本食レストランでも、単なる輸入モデルではなく、現地食文化に合わせたアレンジが不可欠です。
例えば、味付けをローカル志向に寄せる、価格帯を中間層に合わせる、辛味の調整を行うなど、柔軟な商品開発が成功の鍵となります。
日本で成功したメニューをそのまま持ち込むだけでは、市場に適応できません。成功企業は、ブランドの核を守りつつ、ローカライズ戦略を徹底しています。
まとめ:飲食店進出は「許可取得プロジェクト」である
インドネシアで飲食店を開業することは、単なる店舗出店ではありません。
それは、
投資法対応
会社法手続き
OSS登録
ハラール認証
酒類許可
労務管理
税務対応
という総合的な法務プロジェクトです。
まず投資法対応です。外資規制の確認と出資比率設計を誤ると、営業開始以前に手続きが止まります。会社法手続きでは、取締役・株主構成の設計、資本金の払込、登記完了までの流れを正確に把握する必要があります。
OSS登録では、事業リスク区分に応じたライセンスが発行されますが、飲食業は中〜高リスク分類となるケースもあり、追加認証が必要になることがあります。
ハラール認証はブランド戦略と直結します。取得までの期間や書類準備を逆算し、開業スケジュールに組み込む必要があります。
酒類提供を行う場合は、酒類販売許可の取得が必要です。宗教的配慮も必要となるため、立地やターゲット設定と整合させなければなりません。
労務管理も重要です。最低賃金、社会保障(BPJS)加入義務、雇用契約形態などを理解しないまま採用を進めると、労使紛争に発展する可能性があります。
税務対応では、法人税、付加価値税、源泉税など複数税目を理解する必要があります。POSシステムと税務申告の整合性も重要です。
現地制度を熟知したパートナーの存在が、失敗リスクを大幅に下げます。
PT Japan Fitness Indonesia
PT Japan Fitness Indonesiaでは、飲食業を含むインドネシア進出支援を一気通貫でサポート。
外資規制確認から法人設立、ライセンス取得、ハラール対応、労務体制整備、駐在員ビザ取得まで包括的に対応します。
「自社の業態で何の許可が必要か分からない」
「ハラール対応はどうすべきか」
こうした疑問を放置したまま進出すると、後から大きなコストを払うことになります。
まずは無料相談から、法制度リスクを明確にしましょう。
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