インドネシア進出におけるM&Aの基礎知識
2025年12月25日 最終更新日時:2025年12月25日 user-abc012
インドネシア進出の新たな選択肢「M&A」を正しく理解する
インドネシアは、ASEAN最大の人口と内需市場を抱える成長国として、多くの日本企業から注目を集めています。これまでインドネシア進出といえば「現地法人の新規設立」が主流でしたが、近年ではM&A(企業買収・資本提携)による進出を検討する企業が着実に増えています。
背景には、市場参入スピードの重要性、競争環境の激化、許認可・人材・販路を一から構築する難易度の高さがあります。すでに事業基盤を持つ現地企業を買収することで、時間とコストを大幅に短縮できる点は、インドネシア進出におけるM&Aならではの魅力です。
一方で、インドネシア特有の法制度、商習慣、オーナー経営文化を理解せずに進めたM&Aは、進出後に大きなリスクを抱えることにもなりかねません。本記事では、日本企業がインドネシア進出の手段としてM&Aを検討する際に押さえておくべき基礎知識を、実務目線で解説します。
なぜ今、インドネシア進出でM&Aが注目されているのか
インドネシア市場は成長余地が大きい一方で、外資規制や業界ごとの許認可制度、労務・税務の複雑さなど、新規参入のハードルも決して低くありません。特に近年は、競合となる外資系・ローカル企業が増え、ゼロからの立ち上げでは市場獲得までに時間を要するケースが増えています。
こうした状況の中で、すでに現地で事業を行っている企業をM&Aによって取得することで、既存の顧客基盤、人材、ライセンス、取引先ネットワークを引き継げる点が評価されています。進出初期から一定の売上や事業実績を確保できるため、事業リスクを抑えながら市場に参入できるのが大きな利点です。
また、インドネシアでは中小規模のオーナー企業が多く、後継者不在や事業承継ニーズを背景としたM&A案件も増えつつあります。日本企業にとっては、現地事情を理解した上で適切なパートナーを見つけることができれば、非常に有効な進出手段となります。
インドネシアM&Aと現地法人設立の違い
インドネシア進出を検討する際、多くの企業が「新規設立」と「M&A」のどちらを選ぶべきかで悩みます。新規設立は、自社の方針や体制を一から構築できる反面、法人設立手続き、許認可取得、人材採用、販路開拓などに時間がかかります。
一方、M&Aは初期投資額が比較的大きくなる傾向はあるものの、すでに事業が動いている状態からスタートできる点が最大の違いです。特に、許認可が必要な業種や、現地ネットワークが事業成功の鍵となる分野では、M&Aの優位性が際立ちます。
ただし、買収後の統合(PMI)が不十分な場合、期待していたシナジーが得られず、かえって経営負担が増すケースも少なくありません。M&Aは「買って終わり」ではなく、「買った後の運営」までを見据えた判断が不可欠です。
インドネシアM&A特有の注意点
インドネシアでM&Aを行う際、日本国内や他国でのM&Aと同じ感覚で進めることは非常に危険です。特に注意すべき点として、株主構成や名義の問題があります。形式上は問題がなく見えても、実質的な経営権が創業者や特定個人に集中しているケースも多く、契約内容の精査が欠かせません。
また、外資規制(ポジティブリスト)により、業種によっては外資出資比率に制限が設けられている場合があります。M&Aによって取得可能な株式比率や、事業内容の変更可否については、事前に慎重な確認が必要です。
さらに、会計・税務・労務の運用が日本基準とは大きく異なる点も、インドネシアM&Aの難しさの一つです。帳簿上は黒字であっても、未払いの税金や社会保険料、労務トラブルの火種を抱えているケースもあり、表面上の数字だけで判断することはできません。
デューデリジェンスで見落としやすいポイント
インドネシア進出におけるM&Aでは、デューデリジェンス(買収監査)が極めて重要な役割を果たします。財務・法務だけでなく、実際の事業運営がどのように行われているかを現地で確認することが不可欠です。
特に注意したいのが、キーパーソン依存の問題です。創業者や特定のマネージャーに事業が強く依存している場合、その人物が退任した後に事業が回らなくなるリスクがあります。また、従業員との雇用契約や就業規則が適切に整備されていないケースも多く、買収後に労務問題が顕在化することもあります。
許認可やライセンスについても、名義が個人になっている、更新条件が不明確といったケースが見受けられます。これらは買収後の事業継続に直接影響するため、慎重な確認が必要です。
インドネシアM&Aで失敗しやすい日本企業の共通点
インドネシアM&Aで失敗する企業には、いくつかの共通点があります。その一つが、日本のビジネス慣習をそのまま現地に持ち込もうとする姿勢です。意思決定プロセス、報告体制、評価制度など、日本式を一方的に押し付けることで、現地スタッフの離職を招くケースは少なくありません。
また、買収後の現地運営を軽視し、本社主導で遠隔管理を行おうとする点もリスクとなります。インドネシアでは、日々の細かな調整や現地対応が事業安定の鍵を握るため、現地に根差したマネジメント体制が不可欠です。
M&Aを単なる「進出手段」と捉えるのではなく、「現地事業を自ら運営する覚悟」が求められます。
インドネシア進出M&Aを成功させるために重要な視点
インドネシア進出におけるM&Aを成功させるためには、制度理解と同時に、現地での実務経験に基づいた判断が重要です。書類や契約だけでは見えないリスクを把握し、買収前から買収後の運営体制までを一貫して設計することが、成功への近道となります。
特に、M&A後のPMI(統合プロセス)では、労務管理、税務対応、現地パートナーとの関係構築など、多くの実務課題が発生します。これらを見越した支援体制を整えておくことで、M&Aの効果を最大化することができます。
まとめ:インドネシアM&Aは「買収後」が本当のスタート
インドネシア進出におけるM&Aは、市場参入を加速させる有効な手段である一方、高度な現地理解と実務対応力が求められる選択肢でもあります。重要なのは、M&Aそのものではなく、「買収後に現地で事業を継続・成長させられるかどうか」です。
制度・文化・実務のすべてを理解した上で進めることで、インドネシアM&Aは日本企業にとって大きな成長機会となります。進出を検討する際には、現地の実情を熟知したパートナーと共に、長期的視点で戦略を描くことが成功への鍵となるでしょう。
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